ライム・シリーズ第7作。で、今のところの最新刊。
最近はあまりシリーズものを固め読みすることは稀なんですが、1か月強で7冊を読了しました。我ながらすごい勢い。
なお順番には読まず、『魔術師』→『コフィン・ダンサー』→『ボーン・コレクター』→『12番目のカード』→『エンプティー・チェア』→『石の猿』→『ウォッチ・メイカー』の順に読みました。
最初に好みの作品が偏っていたせいで、ここ数冊(上記『12番目のカード』以降)は相対的に失望感が高かったのですが、本作はなかなかの満足度。
特筆すべきは、多くの人に同意いただけると思います、ウォッチ・メイカーの犯人像で、ライムが敵に回すに相応しい堂々たる名犯人ぶりでした。
ところで、先に『このミス』の解説やコメントを読んでしまうと、興が殺がれてしまう可能性があります。勘のいい人は要注意。それと、本編より前に巻末「解説」も読まないほうがいいかもしれません。
ここから
ネタバレします。念のため反転しますが未読の方は注意。
原題は『The Cold Moon』。ウォッチ・メイカーが現場に残した詩からの引用ですが、邦題は犯人の名前をストレートに使ったもの。これが後々アダになるような気がします。
本作でウォッチ・メイカーは、ライム・チームの追跡を逃れて何処かへ姿を消します。普通に考えるなら、あるいは普通に期待するなら、そして著者が普通に読者の期待に応えようとするなら、いずれ再登場の可能性は高いでしょう。
ただし、その場合、彼の人物はウォッチ・メイカーを名のらないと思われ。同時にタイトルは、思いきり勘だけど『The Cold Moon(冷たい月)』と韻を踏む、もしくは対を為すものになるんじゃないだろうか。
そう仮定してみると、邦題はひと工夫が必要でしょうね。さらに大詰めで"犯人はあのウォッチ・メイカーだった"ことが分かるプロットだった場合などは、『ウォッチ・メイカー2』というタイトルはネタバレになるので使えないだろうし。 (08/2/21読了)
採点:☆☆☆☆
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文藝春秋 ISBN:978-4-16-326330-4
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