ホラー作家として知られるウィルスンの、伝奇大河ロマン。「黒い風」という謎の超兵器(!?)の存在がなければ、歴史大河小説と銘打ってもいいほど、重厚な骨格を備えています。
そして、外国人が日本を描いた小説としては、かなりのレベルといっていいんじゃないかな。知る限り(あんまり知らないので分母は小さいけど)、その種の最高峰。「このミス'94年版」では海外編16位にランクイン。
●内容(「BOOK」データベースより)
太平洋戦争前夜、日本には、軍部や右翼と通じ、アジアから白人を追放し、日本人によるアジア支配を夢見る謎の宗教結社があった。その集団は、数百年来失われている秘法―かつて地上に闇をもたらし、信長の軍勢を壊滅させたといわれる不思議な嵐「黒い風」をふたたび呼び起こし、来たるべき戦争で敵国を降伏させようとしていた…。
舞台となる時代は、大戦前夜〜広島への原爆投下まで。
実在の人物が数多登場する他、天皇への言及も多く、日本人が書いたとなるといろいろ厄介なことになりそうなところ、外国人作家による海外発表の作品なのでスルーされているのかもしれません。いずれにしろ現在絶版だけど。
一方、真珠湾奇襲にまつわる「アメリカ陰謀論」を重要な要素として使うなど、プロットが総じて日米どっちにも偏らないフェアなスタンスから構築されているのが好感度高し。
今回、知人に借りて読んだんですが、なんで今まで手に取らなかったんだろうと思われるほどに読後の満足感も高く、いつか再読もしたい。今度古書店で見つけたら押さえておくつもりです。 (07/12/18読了)
採点:☆☆☆☆
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ミステリの迷宮窓際プログラマーの読書三昧
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