元強行犯係の刑事から一転、駐在さんとなった北海道警巡査部長の川久保が主人公の連作短編集。「このミス」2006年度版では国内2位に入っています。なんの予備知識もないまま、いきなりカバーを外して読み始めたので、途中で長編じゃなくて短編集と解ったときには驚きました。サプライズ!
駐在というのは、プライベートも地域に差し出さないとならないし、まず息が詰まる任務でしょうね。何より家族が大変だ。
収録作はさすがに各編読ませますが、中でも『仮装祭』はもっともサスペンスフルで巻末を飾るに相応しい作品だったと思います。でも短編というよりは、中編といっていい長さかな。
例によって気になる点ですが。
制服警官による(ならではの)捜査、それから閉鎖社会の排他性、密閉性というテーマは各エピソードに通底していて、そこは連作らしいのですが、情報屋の元郵便配達の片桐以外はレギュラーらしいレギュラーもなく、ほかに特徴的なキャラクターも現れないので、それがちょっと地味な印象を与えます。
概してシリーズものは、主人公自身が成長すれば、その交遊関係も成長していくもので(敵の顕在化も含めて)、それが少ないというのは梁の数を減らした建物みたいで物足りない。
ところで1編目の『逸脱』。実際の事件に取材して書かれたものらしいですね。日弁連のサイト内に当該事件のページがあったので、URLを貼り付けておきます。
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日弁連 −犯罪被害者支援委員会 標茶高校木村悟君事故死事件『逸脱』は、『決断』(新潮社)という警察小説アンソロジーにも収録されていますので、この短編単体に興味を持たれた方は、そちらで買い求めてみてもいいかと思います。 (07/2/10読了)
評価:☆☆☆☆
今回は、以下のブログをご紹介。
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UpSideDown-永遠の環- :「制服捜査」佐々木譲(新潮社)
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北海道警察本部釧路方面広尾警察署
志茂別町駐在所での出来事5篇
「逸脱」「遺恨」「割れカラ
駐在さんの事件簿。
なかなか味わい深かったです。