北村薫のデビュー作で〈円紫と私〉シリーズ第1作。かなり久しぶりの再読。初めて読んだ若い頃は、いろんな女の子に読ませたなあ(笑)。
多くのエピゴーネンを生みはしたが、やはりこれがオリジナルにして決定版だなあ、という思いをいっそう強くした。「殺人のないミステリ」「日常の謎」と、どこか腰の引けた形容をされることが多い本シリーズではあるけれど、スパイスというには些かきつい毒を潜ませているから、円紫の言葉のひとつひとつが、胸に染みるのでしょう。
『織部の霊』は旬ですね。古田織部は「モーニング」連載中の『ひょうげもの』の主人公。『砂糖合戦』は短編ミステリの見本のような、"よくできた"話です。もちろん誉めてます。『胡桃の中の鳥』は…うわっ、もう印象が薄れているぞ。『赤頭巾』はこの場所に置いたのが巧いですね。『空飛ぶ馬』は表題作にして収録作中の白眉。何度読んでも泣けてしまいます。 (06/10/13読了=再読)
評価:☆☆☆☆
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