初期新本格の一人として長編デビューしながら、他の諸氏とはかなり毛色が違う著者の、自他共に認める(と思う)代表作。

事件関係者を一同に集めて、彼らのやり取りを通して次第に事件の真相と、彼らの内にいる犯人をあぶり出すという構成は他にも例があると思うのですが、そこにTRPGという素材を持ち込んだアイデアは、なかなかそそるものがあります。
ただ、当のTRPGのシナリオが面白くなければ白けるし、そのうえで事件の筋とリンクしていなければならないので、この方法はアイデア倒れに終わる危険度も高いと思うのですね。
実際、失敗ではないけど効果的に使われてはいないな、というのがぼくの正直な感想です。語りも終始冗漫で、もう少しテンポが欲しかった。
余談ですが、斎藤さんにはnifty-serveでたいへんお世話になりました。変わらずお元気でしょうか。 (06/8/22読了)
評価:☆☆☆
TB>そして今日も事件が起きる :夏の死 / 斎藤肇
謎を解く=記憶を鮮明にする、といったふうで、主人公の美作の心理描写が非常に繊細。それだけでなんだか切なくなれます。
●>Jordin Soleil :夏の死
探偵役は一応存在するものの、彼自身が「もしや自分が真利恵を殺したのでは」という恐れを抱いていることもあり、なかなか客観的に突き放させてくれないのです。
おふたりとも、感情移入に成功したようですね。
ぼくは、上にも書きましたが、どうにも展開の冗漫さに耐えられず、主人公心理に同調するほどの集中力を保てませんでした。
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この作品、アラを探せば探せるとは思うし、ノムラさんの書いてらっしゃることも分かるんですけど、それでも好きだったんですよー。妙に惹かれる作品というか何というか。
強いて言えば、私がTPRGを知っていれば、というのだけが残念でしたね。RPGなら大好きなんですけど、友人にTPRGの説明を何度されても、どうもピンと来なくって。(^^ゞ