基本線はご趣向のミステリ。書き手によってはただそれだけになりかねないところを、きちんと物語としても読ませるのがこの作者の巧さ。ただひとつの事件が四つの視点から語られるとき、読者は混乱必至といったところだが、説明は丁寧で、最後の着地もきれいなので読後感が良い。
薄味だが、技巧を煩く見せない、プロットに頼らず人物の造形にも気を配る、フランス・ミステリの美点がよく出た佳作。 (00/11/28読了)
評者 b.k.ノムラ
評価 ☆☆☆★
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