第52回日本推理作家協会賞受賞作。著者の代表作といわれています。
ものすごい久々の更新ですね。
これも入院本。
2/4にポリープを取ったら、退院後の2/6に術後出血。再入院が決まったので、病院に持っていったのがこれです。長めのものはなかなか読むのに思い切りがいりますが、そういう意味では入院は恰好のタイミングですね。
突然行方をくらました恋人と5年ぶりに再会したと思ったら、彼女は翌朝死体で見つかる。事務所の留守電に、相談したいことがあるとメッセージが残されていたことから、主人公は彼女がどうして死んだのか調査を始めるわけです。と、これが政財界を巻きこんだとんでもない大事件に繋がっていき…。
設定は魅力的なんですが、核心に入るまで時間がかかり過ぎます。背景となる事件が実際以上に煩雑に感じられるので、もう少し整理してもらいたかった。
男は引きずるものなんですね。でもって納得できようができまいが、とにかく理由を求める。
といった話でもあります。 (09/2/8読了)
採点:☆☆☆☆
"死者"をテーマにしたアンソロジー。初めて読む作家は吉来駿作、小路幸也のふたりです。
●内容(「BOOK」データベースより)
死者はそこにいる。生きている私たちの記憶の中に、夢の中に、そしてすぐ背後に。私たちを見つめ、語りかけ、時に狙っている。ひそやかで絶え間ない、死者たちの攻勢―。少女の幽霊は窓辺に立ち、死んだ恋人からのメールが届く。自殺した女の呪詛が響き、亡くなった男は秘密を打ち明け、死霊の化身が地底から出現する。怖恐と憂愁を纏った七つの死者たちの物語。文庫オリジナル。
これも入院本。当エントリーの内容は、病院に持っていたノートにメモ書きした感想を元にしているのですが、なにぶん読んでから時間が経ちすぎているゆえ、我ながら何を言っているのか解らないところも(笑)。
というわけで短評です。
『幻の娘』 有栖川有栖 ☆☆☆ ストーリーは可もなく不可もなく。言葉選びが肌に合わなかったので、私的評価は今イチ。
『流れ星のつくりかた』道尾秀介 ☆☆☆☆ お抱え探偵・真備の登場作。『流星の絆』のパロディかと思った。収録作ではいちばんいいですね。
『話し石』 石田衣良 ☆☆★ "話し石"のアイデアはいいのに。何が言いたいか解らない。
『熱帯夜』 鈴木光司 ☆☆☆★ 散漫な印象。結構好きな作家なんですが(ってほど読んでませんが)。
『嘘をついた』 吉来駿作 ☆☆☆★ 二番目に好き。まとまり良し。やや無難過ぎる嫌いがあるので、もうひと味あるとなお良かった。
『最後から二番目の恋』 小路幸也 ☆☆☆★ 改題して正解。他もこれくらいのレベルなら、この作家の作品をもっと読んでみたいかも。
『夕闇地蔵』 恒川光太郎 ☆☆☆ 恒川らしいですね。この"らしい"という表現が出てくるのも彼らしい。ただ、作品としては水準に達してないように感じました。この長さは少なくとも要らないと思う。
(09/2/7読了)
採点:☆☆☆★
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ミステリ読書録AKASHIC NOTE
2月前半の入院。そして愛猫の死もあり、まったく更新できずにいました。
これからゆるり、復活していきたいと思います。
というわけで『TVJ』です。ぼく的にハズレの少ない五十嵐貴久の幻のデビュー作。
知人に借りたものですが、読みやすそうだったので"入院本"として病院に持っていきました。即日、読み終えたんだったかな?
"TV局を舞台にした女版ダイ・ハード"と整理されることが多いようですが、それで間違いありません。ということはつまり、ご都合主義にも免罪符が与えられるということで、あり得ないこともあり得るものとして物語は進んでいきます。
読者を間違いなく選びますが、ぼくは結構楽しめました。
TVジャパンはお台場移転したフジテレビがモデルですね。
全面協力で映像化すれば面白いのに。 (09/2/7読了)
採点:☆☆☆★
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古城標(shirube)の徒然雑記おりおん日記
中国史ものの第3作。『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』は発売後すぐに買って読んだんですが、今回はかなり時間が空いてしまいました。というか、『鉄道員』後にマイ浅田ブームが去り、そもそも彼の著作を読むこと自体が久しぶり。
入院したお陰で、一気に読むことができたのは良かったかな。
本作は、満州族が長城越えを果たすまでの戦いの日々を、清朝初期と末期を対比させつつ描いた歴史大河小説。といっていいと思うのですが、快男児過ぎる張作霖はじめ、実在の人物が必要以上に浅田印にカリカチュアされているため、『蒼穹の昴』に比べると、語っている内容が大きなわりに小説としてのスケールが小さく感じられてしまいます。
シリーズは全6作が構想されているようですが、次はどのあたりまで時代が進むのだろう? 浅田次郎は張学良に配慮して本作の発表を遅らせていたそうですが、今後さらに存命の関係者は増えていくだろうし。いろいろと難しい問題が立ちはだかりそうな気がします。 (09/2/6読了)
採点:☆☆☆☆
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COCO2のバスタイム読書りぼんの読書ノート
重松清が39人のライターを取り上げ、スポーツライティングについて解説。
新書ブームのときに出た本なのかな?
●出版社 / 著者からの内容紹介
スポーツには、熱く読むという興奮もある!
スポーツライターといわれ、誰を思い浮かべるか。山際淳司、沢木耕太郎、金子達仁、それとも小松成美? 作家・重松清は彼らはもちろん、村上春樹をも、三島由紀夫をも、同じ呼吸で熱く語る!
取り上げられているライターは、必ずしもスポーツライターの看板を掲げているわけではない。往年の文豪もいれば、漫画家(というとある程度、想像はつくでしょうが)なんかも名を連ねています。
正直、自分がその"書きっぷり"を知っているライターのパートはそれなりに興味深く読めるのですが、まだその人のスポーツライティングに触れたことがないといったケースでは、あまり興味をそそられることがなかった。むしろ飛ばし読みする傾向さえあって、いきおい評価も低めになりました。 (09/2/4読了)
採点:☆☆★
古書店で目に止まったので購入。著者はJapan Skeptics(超常現象や疑似科学を検証する日本の懐疑主義団体)の元会長だそうです。
●内容(「BOOK」データベースより)
超能力、こっくりさん、占い、オカルト宗教…。超自然現象を科学的に解明してきた著者が、現代社会に蔓延する非合理の数々を考察。社会不安の原因を探りつつ、人間の主体的な生き方の礎となる価値観の確立と“科学する心”の大切さを語る。
上の「内容」はAmazonから持ってきたものですが、本の裏表紙にある解説そのままです。
序文によると、朝日新聞の大阪本社版に連載された「安斎育郎が斬る幻視の世界」の単行本化とのこと。そのためでしょう、1トピックが見開きに納まって読みやすく、通勤のお伴にいい感じ。実際、よく持ち歩きました。
エンターテイメントとしてのオカルトには興味はあるけど、非科学的態度やオカルトを商売に利用する輩が好きでないので、著者のスタンス及び主張には大いに納得。
後書きが松尾貴史というのも、らしいですね。 (09/1/26読了)
採点:☆☆☆★
オールタイムベスト級の傑作『
GOTH』シリーズの新作。
映画タイアップ商品なのが悲しいけど、新作が読めるのは嬉しいですね。
本編はシリーズのテイストがとりあえず守られているものの、前作と比べると2枚くらい落ちます。それでもじゅうぶん読めるのですが、期待が大きいのでこの程度では満足できません。
で、新津保建秀の撮り下ろし写真。
写真の巧拙は解らないけど、読者サイドから見たらほとんどの人が不要と思ったじゃないでしょうか。
光が透過してるせいもあるにしても、髪の毛が黒くないってどうなの?
しかし、それより何より、
この値段はなんなんでしょう! 角川商法?
劇場鑑賞券付きなら解るけど。
これは乙一にも写真家にも損となるやり方だと思います。
小説のみの廉価版文庫を400円くらいで出してもらえたら良かったのに。 (09/1/19読了)
採点:☆☆☆★
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ブログ de ビューしんちゃんの買い物帳深夜急行〜ミステリの旅〜
刀城言耶シリーズ第4作。
本格ミステリシーンでは比較的評判の良い作品ですが、申し訳ないけどピンと来ません。
雰囲気づくりも謎解きも、凄さを感じる部分がまるで見あたらない。前作『
首無の如き祟るもの』のほうがまだ良かった。
半ば意図的なのかな。だとしても、主人公の魅力のなさも大きな減点材料です。
横溝オマージュは好感持てました。 (09/1/18読了)
採点:☆☆☆
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哲学者の館の惨劇〜古本蒐集者の生還〜今夜も読書を
国内ミステリの金字塔。島田荘司のデビュー作にして御手洗潔シリーズ第1作。
でもって、私的オールタイムベストでもあります。

何回か再読してますが、初読以降、すべて1985年刊の講談社ノベルス版。この初出単行本を読むのは、そんなわけで初めてになります。
未開封も持っているのですがまだ開封する気にならず、あらためて開封済みの本が手に入ったので読むことにしたのでした。
やはり何度読んでも手記の部分は退屈ですね(笑)。でも、ひとたび本編(?)に進めば御手洗と石岡のやりとりなど、いつものこのシリーズの空気に浸ることができます。
名前は記号に過ぎないので、ふたりの名前が違う(清志&一美)ことは気になりませんでした。
改訂完全版というのも出ているようですが、さすがに現時点ではそこまで手を出すつもりはないなあ。 (09/1/13再読)
採点:☆☆☆☆★(初読時)
『
月の扉』で探偵役を務めた座間味くんが再登場、旧知の大迫警視の持ちこむ(?)数々の謎に挑む、安楽椅子探偵ものの連作短編集。
前作でハイジャック犯が付けた"座間味くん"という呼び名は、登場人物ふたりにとって大事な、思い出の名前ではありますが、今回、実際の会話の中で名のりや呼びかけに用いられることはありません(たしか)。
ならば本名を出せばいいものですが、そこは著者のこだわりどころなのでしょう、伏せた状態で話は進んでいきます。
そうしたこだわり自体は好感を持てるものの、そのせいでちょっとおかしなことになっているのが、「彼」という三人称です。
読んでいただくと解っていただけると思うのですが、主人公について座間味という仮名も本名も使わない代わりに、本作では「彼」を固有名詞的に使っている。これが読んでいて混乱を招くのですよ。
大迫警視を示す場合はもっぱら一人称にするなど配慮してあるようですが、やはり文章としては読みづらい。読みながらちょっとイラッとしました。
あと、安楽椅子探偵ものをやるなら、もう少しシチュエーションを考えてほしかった。会ってメシ食って……だけというのは。 (09/1/8読了)
採点:☆☆☆★
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